| 天体望遠鏡の用語と対物レンズの有効径の豆知識などを解説です。 |
天体望遠鏡の小辞典| 望遠鏡の種類語 |
| 口径と有効径 | 口径とは対物レンズ、あるいは反射主鏡そのものの大きさ(直径)をミリで表したものです。また有効径とは実際に天体望遠鏡の枠内に収まったときの直径を表示したものです。 例えば、有効径60mmの望遠鏡は、口径が63mm位になります。 |
| 焦点距離 | 対物レンズまたは反射主鏡によって集められた光が焦点を結ぶまでの距離をミリで表したものです。 |
| 望遠鏡の倍率 | 対物レンズ(主鏡)の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った値が倍率となります。 例えば、焦点距離900mmの望遠鏡と焦点距離20mmの接眼レンズを使った場合、900÷20=45倍となります。 天体望遠鏡の倍率は見る対象によって変える必要があります。星雲や星団、月の全体像などは低倍率で、月面の部分拡大や惑星などは高倍率で観察するとよいでしょう。 低倍率とはおよそ20〜40倍、高倍率とは100倍以上をさしています。 |
| 集光力 | 肉眼と比較してどのくらい光を集めることができるかを示しています。人間の瞳は一番開いたときで約7ミリです。集光力の計算は有効径の2乗を瞳径の2乗で割ります。 例えば、有効径80mmの天体望遠鏡では、(80×80)÷(7×7)=肉眼の131倍になります。集光力の大きい天体望遠鏡ほど暗い星まで見ることができます。 |
| 極限等級 | 星にはその明るさによって、それぞれ等級があります。健康な眼を持っている方は、真暗な夜、空の状態が良い時で6等星まで見ることができます。同じように天体望遠鏡で何等星まで見えるかを表したのが極限等級です。 |
| 分解能 | どのくらい細かいところまで見分けられるかを角度の秒で表したものです。 計算は角度の116秒を天体望遠鏡の有効径で割ったものですが、数字が小さいほど分解能が高く、二重星の観測で有利になります。 |
| 望遠鏡の種類 |
| 屈折式 | 対物レンズで集めた光を直接接眼レンズで拡大して見る形式です。光路が単純なだけにコントラストも良く、視界全体に落ち着いた良像を結びます。またメンテナンスも簡単で、入門用・初心者にも最適です。焦点距離にもよりますが、観測対象はオールマイティーです。対物にアクロマートレンズを使ったものは若干色収差が残ります。フローライトなどの高級素材を使ったアポクロマートレンズは極限の収差補正が可能ですがサイズの割に高価です。 |
| 反射式 | 集光に対物レンズを使わず反射鏡を使って集光し、さらに斜鏡で光路を90度曲げて接眼レンズで拡大して観測するタイプです。色収差がなく、視界中心部は極めてシャープな像が得られます。安価なものは主鏡に球面鏡を使用しますので、球面収差が残りますが、パラボラ主鏡を使ったものは収差ゼロの精鋭像が得られます。月面、惑星、星雲、星団観測に向き、天体写真撮影にも適してします。急激な温度変化が生じると筒内気流の影響で像が安定するまで若干時間が掛かります。またベストコンディションを保つためには定期的なメインテナンスが必要になります。 |
| カセグレン式 | いくつかの方式が有りますが、いずれも屈折式と反射式の要素を組み合わせた望遠鏡です。鏡筒を短くすることができるため、大口径望遠鏡もコンパクトに作ることができ、野外での機動性が良好です。また見かけより焦点距離がはるかに長いため高倍率での観測にも向きます。口径が大きいほど、急激な温度変化で筒内気流の影響が出やすく、像の安定には少々時間が掛かります。各収差は補正レンズ等で良く抑えられていますが、反射式を超えるという訳ではありません。 |
| マウントの種類 |
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望遠鏡を載せるマウント(架台)には大きく分けて[経緯台式]と[赤道儀式]の2種類があります。 経緯台式はカメラやビデオ用の三脚や、地上用望遠鏡のマウントなどに、赤道儀式は天体望遠鏡のマウントにそれぞれ多く用いられます。 両者の違いはその動かし方にあり、経緯台が上下・左右に動くのに対し、赤道儀は東西・南北に動くように設計されています。 |
| 経緯台式 | 経緯台式の良さは長時間の定点観測に優れている点(高倍率で長時間の天体観測には不向き)で、赤道義式を操作するような特別なコツがいらないところです。気楽に星空観望を楽しんだり、地上の風景を楽しむのに最適な形式です。ミザールK型経緯台は水平方向に360度、上下に約170度の微動範囲が得られ、望遠鏡のみならず大型双眼鏡や地上望遠鏡なども乗せることができます。また、像の安定に欠かせない高い剛性を有しており長期に渡りその性能を発揮します。 |
| 赤道儀式 | 極軸を地球の自転軸と平行に設置するなど観測までにやや手間がかかりますが、赤経微動ハンドルを動かすだけで長時間にわたり、ひとつの星を追いつづけることがでできます。高倍率での追尾観測にも余裕を持って対応します。また長時間露光を必要とする天体写真撮影には必要不可欠です。ミザールARマウントは小型赤道儀として機動性と高剛性を有し20年以上に渡り生産を続けている信頼性の高い製品です。 |
| 天体望遠鏡における対物レンズの有効径 |
| 肉眼でも星空を観察することはできますが、その場合貴方の眼は有効径7mm、倍率1倍のおそろしく視界の広い望遠鏡といえます。天体観測の場合は、倍率よりもむしろ対物レンズの有効径が重要になります。つまり分解能や明るさによって左右されることが多く、高倍率が必ずしも良く見えるとは限らないわけです。 最適な倍率とは、観測対象と対物レンズの有効径により決まっています。 |
| 対象天体 / 見えるもの |
双眼鏡 | 有効径 50mm 分解能 2.3秒 |
有効径 60mm 分解能 1.9秒 |
有効径 80mm 分解能 1.5秒 |
有効径 100mm 分解能 1.2秒 |
有効径 150mm 分解能 0.8秒 |
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| 月 | 倍率 | 7〜10倍 | 50倍〜 | 50〜100倍 | 50〜150倍 | 50〜180倍 | 50〜250倍 |
| 見えるもの | 全景 | 大きな谷やクレ−ターの識別 | 谷やクレーターの細部の確認 | 海の起伏や谷の細部を観察 | 小さな谷やクレーターを観察 | 小さなクレーターの細部を観察 | |
| 水星 | 倍率 | 7〜10倍 | 〜50倍 | 100倍 | 100倍 | 100〜150倍 | 100〜200倍 |
| 見えるもの | 位置の確認 | 位置の確認 | 形の確認 | 淡い模様の確認 | 淡い模様を観察 | 淡い模様の細部の様子を観察 | |
| 金星 | 倍率 | 7〜10倍 | 50倍〜 | 50〜100倍 | 100〜150倍 | 100〜150倍 | 100〜250倍 |
| 見えるもの | 位置の確認 | 三日月型の確認 | 三日月型と半月型の識別 | 形の変化の識別 | 形の変化や淡い模様の識別 | 形の変化や模様の観察 | |
| 火星 | 倍率 | 7〜10倍 | 50倍〜 | 50〜100倍 | 100〜150倍 | 100〜150倍 | 100〜200倍 |
| 見えるもの | 位置の確認 | 大きな模様の確認 | 極冠や大きな模様が識別 | 極冠や主な模様の観察 | 極冠の変化の確認 | 本体の模様と太い運河の確認 | |
| 木星 | 倍率 | 7〜10倍 | 50〜100倍 | 50〜100倍 | 100〜150倍 | 100〜180倍 | 100〜250倍 |
| 見えるもの | 衛星の確認 | 2本以上の縞衛星の確認 | 3本以上の縞衛星の確認 | 大赤班が分かり衛星の影を確認 | 縞の細部の確認 | 縞の細部の様子を観察 | |
| 土星 | 倍率 | 7〜10倍 | 50〜100倍 | 50〜100倍 | 100〜150倍 | 100〜150倍 | 100〜250倍 |
| 見えるもの | 位置の確認 | リングや本体模様の確認 | リングや模様・衛星チタンの確認 | リングの角度によりカシニの溝確認 | カシニの溝確認と他の衛星の確認 | リングの溝・本体模様・衛星数個の観察 | |
| 星雲・星団 | 倍率 | 7〜10倍 | 〜50倍 | 〜50倍 | 50倍〜 | 50倍〜 | 50倍〜 |
| 見えるもの | 主な星雲・星団の観望 | 主な星雲・星団の観望 | 主な星雲・星団の観望 | メシエ番号のついたほとんどの星雲・星団の観望 | 主な球状星団が高倍率で星に分解して見える | 星雲・星団をはっきりと観望 | |
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| 天体観測における倍率の目安 |
| 月の観測 | 50〜150倍 | クレーターの起伏が詳細にわかる |
| 水星の観測 | 60〜100倍 | 三日月の形がわかる |
| 金星の観測 | 60〜100倍 | 形の変化がわかる |
| 火星の観測 | 100〜150倍 | 大きい模様がわかる(接近時) |
| 木星の観測 | 100〜150倍 | 四大衛星が観測できる |
| 土星の観測 | 70〜150倍 | 美しいリングを確認できる |
| 星雲・星団の観測 | 45〜100倍 | 200個程度見られる |
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